「車両とレールのメーカーが異なっても走行できるのか?」
「別メーカーの車両を連結して走らせることができるのか?」
「別メーカーのレールを接続することができるのか?」
「コントローラーとレールのメーカーが異なっても使えるのか?」
といった質問をたまに受けます。
ここでは、Nゲージにおけるこのへんの事情を記します。
■ レールと車両の混在(※Nゲージ)
レールと車両の混在
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Nゲージは世界規格が決まっており、
線路のメーカーと車両のメーカーが異なっても基本的に走行することができます。
完成品メーカーでもレールを発売せず、
他社のレールを使用することが前提になっている製品もたくさんあります。
Nゲージの規格
- ゲージが9mm。
- レールに直流0-12Vを流して走行する(右側が+で前進)。
- 縮尺が1/150-1/160くらい。
- 連結器は(基本的に)アーノルドカプラーを使用し、取り付け位置(高さ)も同一。
注意事項 -レールと車両の相性-
バックゲージやフラッジの高さなどの車輪の寸法規格がメーカーによって少しずつ異なるので、
相性の悪い場合もあり、完全に互換がとれているわけではありません。
- 国内プラ完成品メーカーは類似の寸法なのでほとんど問題なし
- 一部の外国型(特に古いもの)ではフラッジが高く、
現在発売されているレールを使うとポイントで乗り上げ→脱線しやすいものがある
(現在発売されているレールの高さが低い為)。
- 見た目重視製品では(金属製の高級品やKATOレジェンドシリーズなど)、
フラッジ(フラッジ高)が低く車輪(トレッド幅)の薄いものがあり、
脱線のしやすいものがある。
注意事項 -常点灯システム-
「常点灯システム」はトミックスとカトー(※カトーは生産中止)がバラバラの方式を採用した為、
メーカーが異なると正常に動作しないばかりか、
発熱など破損につながる場合もあります。
他社製の常点灯用対応車両を走行する場合には常点灯システムはOFFしてください。
また、トミックス常点灯システムと相性の悪いコントローラー(カトー製 KC-1,KU-1など)もあるようです。
※詳しくは取り扱い説明書など参照願います
■ 車両の混結(※Nゲージ)
車両の混結(※Nゲージ)
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規格どおり、アーノルドカプラーを使用している製品は基本的に問題ありません。
最近は見た目を重視したカプラーを各社で開発・搭載しており、
これらには互換性がありません。
電車のように編成単位で楽しむ場合には、これでも困ることはあまりありませんが、
旧型客車や貨車のようにいろいろな形式を混結したい場合、
独自規格のカプラーの製品は少々困ります。
ビギナー向けの解決策を記します。
- 全てアーノルドカプラーに交換する
(独自規格のカプラーはアーノルドカプラーに交換できるようになっているものが多いです)。
- アーノルドカプラーに統一できない場合は、
一方をA社のカプラー他方をアーノルドカプラーにした車両(=控車)を用意する。
※機関車でも有効な方法です。
モーター車(動力車)はカプラーが同一でもメーカーが異なると最高速度などの走行性能が著しく違うので、
互いに押し合ったり・ひきずったりして脱線しやすくなるので、
あまりお勧めしません。
※同一メーカー&同一車種でも動力装置が改良されており、
製造時期の組み合わせによって上手く重連運転できない場合もあります。
ゲージが同一ですので、混合使用も可能ですが、ビギナーにはあまりお勧めしません。
理由は以下です。
- レールの高さなどが異なるので調整が必要な場合がある
- ジョイナーなどの接続部が異なるのでどちらかにあわせる必要がある
- 規格が異なるので、エンドレスにしようとすると、上手く円にならなくなることが多い
- 電動ポイントの制御方式とスイッチ・コネクターが各社バラバラなので混在させる為には工夫が必要
■ レールとコントローラーの混在(※Nゲージ)
レールとコントローラーの混在
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コントローラーを走行用のみに使用する場合は可能です。
ただし、コネクター形状が各社バラバラなのでコントローラーから出ている電線を切断し、
レールシステムに合うコネクター付きのフィーダー線につなぎなおす必要があります。
この方法、あまりビギナー向けではないことはたしかです。
コントローラーをアクセサリーの電源(=信号や踏み切り用など)やポイントの制御用に使用する場合は、
方式や電圧などが全く違いますので流用できません。
電気にかなり詳しい方(=各社の制御方式を理解し、それらの制御装置を自作できるレベル)
以外は破損や事故の可能性がありますのでやめてください。
■ 日本国内で入手できる主なレールシステム(※Nゲージ)
名称
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メーカー
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トミックス
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TOMIX(トミーテック)
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システム化された商品展開と取り扱いの容易さ、入手のしやすさでは定評があります。
最近、サウンド付きコントローラーや、
カメラ列車などおもしろいアイテムが増えています。
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ユニトラック
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KATO(関水金属)
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接続部が頑丈で通電性が良好、安定性が高い道床などに定評があります。
レイアウト用の固定式レールも発売しています。
最近は、
DCC(デジタルコマンドコントロールシステム)
用の製品もあります。
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ジオラマレール
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マイクロエース
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上記二社とは異なる考え方で開発された製品。
他社製品との混在使用もある程度前提としているようです。
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■ 国内の主なプラ完成品メーカー(※Nゲージ)
ブランド名
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メーカー
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トミックス(TOMIX)
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トミーテック
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使いやすいレールシステムと車両の精密さが特徴。
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カトー(KATO)
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関水金属
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丈夫なレールシステムと車両の走行性能が特徴
※車両の走行性能については、最近発売の「レジェンドシリーズ」などの見た目重視製品や
振り子/車体傾斜装置 機能付製品、モーター小型化製品など、
走行条件によっては以前のKATO製品よりかなり性能が劣るのではないか?という製品もあるので注意。
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マイクロエース(MICROACE)
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マイクロエース
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上記二社では出さないような形式を精力的に製品化。車両が中心。
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グリーンマックス(GREENMAX)
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グリーンマックス
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プラモデル形式のキットが多いが、完成品、塗装済みキットなども発売。
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モデモ(MODEMO)
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ハセガワ
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路面電車などの小型車が充実。プラモデルの世界では飛行機で有名。
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