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1. トランジスタで電圧を制御する場合の基本回路(2006/05/24更新)
2. 電源トランスを利用した回路(2006/05/24更新)
3. スイッチング電源を利用した回路(2006/05/24更新)
4. 最もシンプルな回路(※電源限定)(2006/05/24更新)
5. 電圧計/電流計を付加する場合(2006/05/24更新)
6. 留意点(2006/05/24更新)
7. 部品の規格(2006/05/24更新)
8. 各部品の役割(2006/05/24更新)

■ 鉄道模型コントローラーの自作(トランジスタ式) 鉄道模型コントローラーの自作
2006/05/24 文 : Hiroshi Oguma

鉄道模型コントローラーにも様々な制御方式がありますが、 ここでは、 もっともシンプルなコントローラー(パワーパック)の作り方をご紹介いたします。

ここでご紹介するコントローラーはトランジスタ式と呼ばれる方式で、 基本技術は1970年代という、 PWM式等のプログラム制御が発達した今日では、 もはや古典的な方式です。

トランジスタ式は構造が簡単で、部品点数が少なく、 いわゆる「ブラックボックス」ではないので、 製作も保守も簡単という特徴があります。

また、負荷による電圧変動が少なく、容量さえ確保すれば各ゲージ共通で使用できます。 要するに、1950年代のOゲージから最近のNゲージまで同じコントローラーで走行できます (試してみたら本当にカツミのOゲージのEB58が走りました・・・)。

そのほか、
 ・発進/停止が比較的スムーズ(ビビリはなし)。
 ・モーターに負担をかけるような回路が一切組み込まれていない(コアレスモーターでもOK)。
 ・アナログ式のサウンドシステム/高周波回路等との干渉が無い。
 ・Nゲージの常点灯基板への悪影響が無い。
 ・最近増えているNゲージの小型車両用動力(鉄道コレクションなど)との相性が良い。
 ・最近、レオスタットは入手が困難、かつ高価になっているので、 かえって安い。
も利点です。

デメリットとしては、低速回転時に、 電力を熱にして捨ててしまうという点や、 装置を手のひらサイズにしたいというような小型化は難しい、 ということがあげられますが、 模型用の場合はそれほど問題にならないレベルではないかと思います。

 1. トランジスタで電圧を制御する場合の基本回路 1. トランジスタで電圧を制御する場合の基本回路

トランジスタで電圧を制御する場合の基本回路は下記です。

トランジスタ式コントローラーの基本

基本回路はたったこれだけ、あとは保護回路(≒ブレーカー)、 整流回路、逆転回路を付加すれば、コントローラができます。

以下、この基本回路を組み込んだ応用例です。

 2. 電源トランスを利用した回路 2. 電源トランスを利用した回路

最近は電源トランスよりもスイッチング電源を使用することが多くなりましたが、 まずは基本(?)から・・・ということで、電源トランスを使った回路を記します。

※手持ちの古いレオスタット式のコントローラーを改造する場合や、 スイッチング式以外のACアダプタを流用する場合はこの回路になります。

トランジスタ式コントローラー 電源トランスを使った回路


 3. スイッチング電源を利用した回路 3. スイッチング電源を利用した回路

トランジスタ式コントローラー スイッチング電源を利用した回路

スイッチング式ACアダプタの出力は既に平滑化された直流ですので、 2. の回路から整流部分と平滑部分を省くことができます。 ただし、ノートパソコン用などのスイッチング式ACアダプタは、 保護回路(≒ブレーカー)が内蔵されていないのがほとんどですので、 これは省略できません(保護回路を省くと、最悪、火災などの事故につながります)。 また、12V以上の電圧が出力されるものが大半なので、 コントローラーの出力電圧が高い場合には電圧制限用の抵抗をボリュームの前に付加します (抵抗の最適値は使用するスイッチングACアダプタの出力電圧に依存しますので、 電圧によって増減して下さい。)。

【注意事項】

 4. 最もシンプルな回路(※電源限定) 4. 最もシンプルな回路(※電源限定)

トランジスタ式コントローラー 最もシンプルな回路(※電源限定)

ここに掲載する回路図は、 電源に秋月電子通商 発売の24w級スイッチングACアダプタ 12V 2A [NT24-1S1220](※同シリーズを含む) を使用するのが前提です。 何故、この製品に限定したかと言いますと、 このACアダプタは、
・保護回路(≒ブレーカー)が内蔵されていて、 かつ、過負荷時(ショートなど)の切断応答が速い
・出力される電流が既に平滑化されている
ことから、これら二つを省くことが可能だからです。

【注意事項】

 5. 電圧計/電流計を付加する場合 5. 電圧計/電流計を付加する場合

電圧計/電流計を付加する場合は以下になります(※回路図の一部のみ掲載)。

トランジスタ式コントローラー 電圧計/電流計を付加する場合

【補足】
 6. 留意点 6. 留意点

調子の悪い車両や著しく汚れたレールでも、 スロー運転ができるような回路は一切組み込まれていません。 整備不良をコントローラーでカバーするかどうかは考え方の問題だと思います。


 7. 部品の規格 7. 部品の規格
電源の容量

電源にトランスを使用する場合は、 車両のモーターの電流(=コントローラーの出力) の1.5倍くらいのものを用意します。 ダイオードブリッジによる全波整流の特性で、 出力電流(直流)は入力電流(交流)の70%程度になります。 Nゲージでモーター車2両程度でしたら、2Aくらいあれば十分ではないかと思います。
電源にスイッチング電源を使用する場合は、 車両のモーターの電流(=コントローラーの出力) と同じでOKです。
コンデンサの耐電圧

25V以上のものを使用してください。 なお、耐電圧16Vのコンデンサを使用するのは危険です。
ダイオードブリッジの耐電圧

25V以上のものを使用してください。 もっとも、市場に出回っているものの大半が耐電圧100V以上ですので、 それほど気にしなくとも良いと思います。
1000μFの電解コンデンサの容量

車両のモーターの電流(=コントローラーの出力)によって1Aにつき1000μF 程度増加させてください。つまり5Aのコントローラーにしたければ 5000μFです。容量が多い分には問題はありません。

[参考]
Nゲージのモーター車では一両あたり0.3-0.5A、コントローラーの出力は0.5-2A程度です。

なお、容量が大きいので極性を誤ると派手に破裂したり、 破片が数十cm飛び上がることがあります。注意願います。
ダイオードブリッジの耐電流

車両のモーターの電流(=コントローラーの出力)の1.5倍くらいのものを用意します。 Nゲージでモーター車2両程度でしたら、2Aくらいあれば十分ではないかと思います。 大電流を流す場合には放熱対策が必要になります。過熱あるいは容量無視で使い続けると 内部でショートし、単なる電線と化します。
スイッチ

100V用のスイッチは、耐電圧125〜220V、耐電流1〜2A 12V用のスイッチは、耐電圧25〜V、耐電流2A〜 程度が良いと思います。
トランジスタ

たまたま安売りしていた「2N3055(=海外仕様  モトローラーの十数年前のヒット商品)」を使用していますが、 他のnpn型(2SC****又は2SD****)のパワートランジスタで代用できます。 (2N3055のコネクタ→エミッタ容量は 65V 15A 115W@Tc25℃程度  代用品としては、2SD878)。

他のものを使用する場合、コネクタ→エミッタ容量 50V 10A 60W よりも上 程度が良いと思います(モーターからの逆電流がかかりますので、 大きめにしておいた方が無難です)。

もし、小型のトランジスタを使用したい場合は、エミッタから逆転スイッチの間に、 逆電圧阻止用のダイオード(容量はなるべく大きいもの:5A以上)を組み込んでください。

なお、2N3055はNゲージではやや過剰スペックで、 3-5Aクラスのコントローラーまでなら十分に使用することができると思います (KATO製ECS-1の最終段にも使用されています)。
ボリューム

0.25〜0.5wで十分だと思います。 A・B・C(カーブ)はお好みでお選びください(あまり関係無いです)。 2N3055では、5-10kΩBボリューム程度がちょうど良いと思います。

※抵抗値の異なるものを2-3個買ってみて、好みのものを見つけるのがてっとり早いと思います。
1次側(100V)のヒューズ

市販のコントローラーでは省略しているものがほとんどですが、 電源にトランスを使用する場合は、 事故防止の為に設置して下さい。 容量は、トランスの規格に従ってください。 不明な場合は、2次側電圧×2次側出力(電流)/100〜115よりも少々上 A 程度が目安です (例 : 14V 3A ならば 0.42A ≒ 400〜500mAということになります)。
2次側(15-12V)のブレーカー(又はヒューズ)

「4. 最もシンプルな回路(※電源限定)」以外は、 絶対に省略しないで下さい。 使用している部品の中で、最も耐電流が少ないものの値よりも 小さな値で切断される容量を選んでください。
ケーブル

出力に合ったものを使用して下さい。 ちなみに、Nゲージメーカーから市販されているコード(ケーブル)の断面では、 数A流すことには不適切で、もっと太いものを使用した方が良いです (0.5:MAX 5A - 0.75:MAX 7A 以上を推奨)。

 8. 各部品の役割 8. 各部品の役割
ダイオードブリッジ

トランスで降圧した交流を直流(脈流)に変換します。 ダイオードブリッジの特性により、出力電圧が約1.4V低下します。
1000μFの電解コンデンサ

ダイオードブリッジからの脈流を平滑化します。 電源トランスを利用した回路でこのコンデンサを省略しても、 車両は走行しますが、 常に叩いて回している状態になりますので、入れておいた方が無難です。

特に、コアレスモーターを使用する可能性がある場合には、 絶対に省略しないでください。 コアレスモーターは脈流に極端に弱いです(モーターが焼け付きます)。

電源トランスの代わりに、安定化電源/スイッチング電源のACアダプタを使用した場合は、 ダイオードブリッジと1000μFの電解コンデンサを省略できます(3. の回路)。

電源トランスの代わりに、通常のACアダプタ(=トランス式)を使用した場合は、 ダイオードブリッジを省略できます(1000μFの電解コンデンサは省略できません)。 ACアダプタが半波整流の場合は、1000μFの電解コンデンサの容量を倍にして下さい。
ボリューム

トランジスタのベースに流す電流を調整します。
トランジスタ

ベースに流れる電流が多くなるほど、コネクタ→エミッタ間に流すことができる電圧が 増加します(トランジスタの増幅作用)。 ボリュームとトランジスタの働きにより出力電圧を増減できるようになります。

なお、トランジスタで調整している電圧(ダイオードブリッジの出力との差分)は、 全て熱になりますので、 トランジスタは放熱板(金属ケースで代用可)に取り付けてください。 省略すると、そのうちトランジスタが破壊されます。

■ 注意事項 ■ 注意事項

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