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■ 962形製作記(Nゲージ) 962形製作記(Nゲージ)
2013/02/09 文 : Hiroshi Oguma

東北上越新幹線 先行試作車 : 962形新幹線試験車の製作記です。

ベースと製作動機 ベースと製作動機

ベース

製作動機

ある公開運転会に参加することになり、 開催地域(東北)にちなんだ車両を作ってみようかという気になりました。

目についたのが、放置中の925(S1)コンバージョンキット。 これを使えばお手軽に一本ものにできそうだと考えました。 しかし、925(S1)は同じクラブのHO氏(イニシャルが同じですが別人です、念のため) が既に作成済みで(しかもできがかなりイイ)、 重複するのも面白くない・・・。 そういえば、925(S1)と962は車体が似ていたな・・・ & 試作車はどっちかというと自分の範疇、 というわけで、あえて、キットを改造し、962を作成することにしました。

※HO氏の新幹線車両は http://homepage3.nifty.com/ho-tec/ で公開中です。962の作成にあたっても参考にさせてもらいました。

準備 準備

治具の作成

キットの説明書通り 厚さ1-1.5cm、幅3cm、長さ20cm位の板2枚と 厚さ1-1.5cm、幅7cm、長さ20cm位の板1枚を用意しました。

なるべく表面が平滑&しっかりしたものが良いので、アガチス材を使用しました (蛇足ですがアガチス材は、硬度が高く、狂いにくいので、 モジュールのフレームに使う方も多いようです)。

説明書によると、幅3cmの板1枚の一辺(長手方向)の角を丸くする必要があります。 Rは直径2mmくらいで、削り込みが均一でないと、側板がでこぼこになってしまうので注意、 ともあります。うーん、面倒だ・・・。 相手は金属なので、てきとうに削るとでこぼこになります。 KATOの車両ケース(単品用)の蓋のRがそのくらいで長さも手ごろなので、 これを切り出して、板にはりつけて使うことにしました。

ケースに傷や割れ目があるものは当然不可。 メーカーの刻印と突起(型の都合)がある側も使えません。

※ケースの製造時期によってはメーカーの刻印と突起が別々の側にあるものがあり、 このケースは使えません。 とにかく、万力で締め付けますので、曲げ板に凸凹があると、 その凹凸がそのままプレス加工(?)されてしまいますので、平滑なものを利用します。 また、車両ケースはアクリルなので、割れやすく、加工にはちょっと注意が必要です。

製作 製作

車体加工の概要

961-1
キット改造。窓を片側3個所+1個所(計7個所)増設しています。
961-2
キット素組みでOK。
961-3
キットを流用するとかえって手間がかかるので、ベースを改造。 窓と窓柱の間隔はベースの200系と異なりますが(0系1000番台の寸法)、 加工が面倒なので目をつぶっています (※HO氏の925 S2はちゃんと改造しています)。
961-4
キットを流用するとかえって手間がかかるので、ベースを改造。 窓と窓柱の間隔はベースの200系と異なりますが(0系1000番台の寸法)、 加工が面倒なので目をつぶっています。 寸法が違うのをごまかす為に窓が実車よりも一つ少ないです (※HO氏の925 S2はちゃんと改造しています)。
961-5
キット改造。窓を片側1個所(計2個所)増設しています。
961-6
キット改造。窓を片側1個所のみ(計1個所)増設しています。

キット利用分の加工

側板の改造

鉄道模型において、真鍮板の窓抜きには糸鋸を用いる場合が多いですが、 糸鋸を使うのが面倒だったので、以下の簡易工法で作成しました。 Nゲージ等、車体の小さなものの窓抜きにはこの方法もそこそこ使えます。

  1. 千枚通し等尖ったもので、ケガキます。 位置は図面を窓や窓柱のサイズは他の側面を利用して現物合わせしました (単なる増設なのでこれで十分)。



  2. 増設する窓の中央にピンバイスで穴を開けます。 真鍮板を歪ませたりしないように以下に注意してください。



    • 平滑で適度な硬さを持った板の上で作業すること (板は治具を作成した板の残りでよい)。
    • ドリルの刃がずれないように、ポンチを打つ (=中心に千枚通し等で軽くへこませれば良い)。
    • ドリルの刃を過度に押し付けないこと。
    • ドリルの刃のひっかかり(貫通直前に起こりやすい)に注意すること。
  3. 穴あけが終わった側板を板で挟み(板は治具を作成した板の残りでよい)、 それを万力で挟みます(直接万力で挟まないこと)。
  4. 角ヤスリで四角い穴に広げ、 ケガキ線に合うように仕上げます (窓のRは角の甘い角ヤスリを使うと良いでしょう)。
    と、書きましたが、 窓の四隅にφ0.7-1mmのドリルで穴を開けてRを表現するのが、 より良い方法ですね・・・。 前述の方法で作ってしまいましたが。
※糸鋸を使う場合には00000(=ゴゼロ)-000000(ロクゼロ)くらいの細かな番数の刃を使用してください。 なお、この番数になると通常のDIY店では売っていません (鉄道模型専門店か東急ハンズ等の大型店で入手できます)。

キットの側板を曲げる

改造の終わった側板(改造しないものもありますが・・・)を、 説明書の通り合わせ線を板に引き側板を挟んで曲げます。 「ずれないように注意しながら万力に挟む」とありますが、 ずれないようにするのがたいへんなので、 セロファンテープで仮固定してから挟みました。

※セロファンテープを貼った部分がプレス加工(?)されないかちょっと心配でしたが、 過度に締め付けないこと、貼る場所をなるべく端にして対処しました。 なお、ガムテープとかマスキングテープ等厚手のテープを使うと、 テープを貼った部分がプレス加工(?)される恐れがありますので注意。

真鍮板の曲げと言うと躊躇される方も多いと思いますが、 屋根の曲げよりははるかに簡単で、案ずるより生むが易しといったところです。

ボディの加工(キット利用分)

ベースとなるボディのデティールを全て削ります。 この作業はいつものように、大きめの棒やすりでいっきに削ると、 効率良く&きれいに仕上がります。いくら上に被せるといっても、 地肌(?)があまりに凸凹だと、それがばれてしまいますので、 手抜きはほどほどに・・・。

ドアや窓から見えるベースのボディーは切り取りますが、 この作業はモーターツールを使うと効率がよいです(回転数を上げすぎると、 プラが溶けて凸凹になり、修正に手間取るので注意)。 もちろん、モーターツールではなくカッターナイフと棒ヤスリでも十分加工できます。

また、窓ガラスを貼ることを考慮し、 ある程度大きめに穴を開けておく必要があります (過度に大きいと強度が落ちるので注意)。

キット未利用分の加工

ボディの加工

いつものように、利用できない窓やドア等は一旦プラ板とパテで埋めた後、 他から移植しました。

下回り

下回り(の見えるところ)は台車のカバーをつけたのみです(他はベースのまま)。 台車カバーの作成方法は951/961/300Xと全く同じです 曲線通過の為に台車の前後は機能が落ちない程度に切り取っています。 とはいえ、最小通過半径は市販の新幹線車両よりも大きいです。 (乗せ難い・最小通過半径が大きい・ひっかかりやすいと、 三拍子揃った編成が増えてしまった・・・)。

参考までに今まで作成した試験車の最小通過半径(経験値)を記します。

台車のカバー付き

951 R345
961 R355
962 R355
300X R350

スカートが長いもの
1000系-A編成 R315
500系-900番台(WIN350) R315

屋根

例によって手抜きで何もしていません。 実車に合わせ、4号車パンタの移植、6号車のパンタ増設をしたいところですが・・・。

塗装

例によって全て缶スプレーです。 液状クレンザー + 古歯ブラシで洗浄 → 乾燥後、 3,4号車以外はアサヒペンのメタルプライマー(ノズルはGMの缶スプレーのものに交換)を吹き、 GM ねずみ色1号(9番)で下塗り。 3,4号車は金属部が無いのでメタルプライマーは省略(ねずみ色1号のみ)。 改造部分の修正を行った後(埋めきれていない&ヤスリがけが足りない等、 塗装前に気づかなかった見苦しい個所を修正 ※修正個所は再度ねずみ色1号で下塗り)、 タミヤのAS-14(オリーブグリーン)とGM 小田急アイボリー(21番)を使用しました。 最初、窓周りと雨樋を間違えてGM 緑15号で塗ってしまいましたが、 よく考えたら、962時代はモスグリーン。
#Dr.JINの指摘で気づいたのですが・・・。

アサヒペンのメタルプライマーを初めて使用しましたが、 食いつきはまぁまぁです。 ただし、塗装前の洗浄(脱脂)が不完全だとはがれやすいです。 プラをほとんど侵さないのは○です。

[備忘録]
 新幹線の窓周りのマスキングには6mm幅のマスキングテープがそのまま使えます。

実車について 実車について

962形新幹線試作電車

1978年、東北上越新幹線用200系量産先行車両として試作された車両。 東北新幹線の先行走行試験区間の小山試験線で961形新幹線試作電車と 共に試験を行いました。 小山試験線における961・962の試験結果を元に、 東北上越新幹線用200系が製作されました。

962形は、製作当初より、試験終了後電気軌道総合試験車に改造できるように設計がなされており、1981年に改造、新製された921-41(=軌道試験車)を編成に組み入れ、 7両編成の925(S2)電気軌道総合試験車(通称ドクターイエロー)として、 東北新幹線等で運用。2002年に廃車。

基本構造は200系にそのまま引き継がれましたが、 窓周り等のモスグリーン塗装はもっと明るい色に改められました。

新幹線の普通車の座席をリクライニングシート化するにあたり (それまでの0系ではただの転換式)、 3列側の座席がシートピッチの関係から回転式にできず、 962では「集団お見合い型」と「集団離反型」の両方を試作、 試験時のアンケート結果から200系では背中合わせが採用されました。 その他、耐寒耐雪設備や騒音振動対策等の試験も行われたようです。 また、高速度試験は、主に961で実施していたようで、 962での最高速度記録は261.5km/hです。

他の試験車と比較し、華々しい記録やエピソードは無いですが、 改造後電気軌道総合試験車として長く活躍した車両です。
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