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■ 鉄道模型コントローラーの自作(自動加減速式) 鉄道模型コントローラーの自作(自動加減速式)
2019/04/11 文 : Hiroshi Oguma

鉄道模型コントローラーにも様々な方式がありますが、 ここでは、実物の運転台のように自動加減速するコントローラーの作り方をご紹介いたします。

ここでご紹介するコントローラーは実物の運転台のようにノッチを入れると自動加速し、ノッチオフで徐々に速度が落ち、ブレーキをかけるとしばらくすると止まります。

コントローラーの方式は 鉄道模型コントローラーの自作(トランジスタ式) と同じくトランジスタ式と呼ばれ、基本技術は1970年代という、 PWM式等のプログラム制御が発達した今日では、もはや古典的な方式です。

実物の運転台のように動作するコントローラーとしてはプログラム制御の方が良いかもしれませんが、 鉄道模型コントローラーの自作(トランジスタ式) に少し手を加えるとそれらしいものができてしまうので、ご紹介する次第です。

※このコンテンツは 鉄道模型コントローラーの自作(トランジスタ式) の内容をご理解いただいている方を対象にしています(=基本的な個々の部品の解説や基本的な解説は行いません。上記リンクを参照願います)。

 1. 自動加速、減速の基本回路 1. 自動加速、減速の基本回路

自動加速、減速の基本回路は下記です。解りやすくする為に、ノッチ1段、ブレーキ1段の1ハンドルタイプとしています。

自動加速、減速の基本回路

1. トランジスタで電圧を制御する場合の基本回路 に自動加速、減速する為の電解コンデンサとノッチ/ブレーキ用の2Pスイッチ(中立でOFF)と抵抗を追加しています。

簡単な解説をいたします。

加速中

ノッチを入れる(スイッチを加速側に倒す)と、電解コンデンサとパワートランジスタの両方に電流が流れます。 電解コンデンサが充電されるにつれ、ベースの電圧が上がり、コネクタ - エミッタ間の電圧も上がります。模型は加速します。

定速運転中

電解コンデンサが満充電になるとパワートランジスタ(のベース)側にのみ流れるようになりますので、コネクタ - エミッタ側の電圧の上昇が止まり一定電圧になります。模型は一定速度で走ります。

惰行運転中

ノッチをオフする(スイッチを中立にする)と、電解コンデンサからの放電が始まりパワートランジスタに電流が流れます。 電解コンデンサが放電されるにつれ少しづつベースの電圧が落ち、コネクタ - エミッタ間の電圧も落ちますので、模型は惰行運転状態になります。

減速運転中

ハンドルをフレーキ側に倒す(スイッチをブレーキ側にする)と、スイッチ・抵抗経由の放電が始まり、電解コンデンサの放電速度が速くなります。 放電されるにつれコネクタ - エミッタ間の電圧も落ちますので、模型は減速します。

加速は、各ノッチによって加速度が変わってしまう(実物は基本、加速度一定)。 ブレーキは、減速するにつれ効きが甘くなる(電解コンデンサの放電を増やしてゆく回路がない為)といった点が実物と異なります。 また、2ハンドルタイプのブレーキは電気指令ブレーキタイプです(自動空気ブレーキの操作はこのような単純な回路では再現できそうにないです)。

以下、この基本回路を組み込んだ応用例です。ワンハンドルタイプは各ノッチとブレーキの段数を増やし、加速調整用と最高速度調整用のボリュームを追加すれば完成します。

 2. ワンハンドルタイプの回路 2. ワンハンドルタイプの回路

解りやすくする為に、ノッチ3段、ブレーキ3段のワンハンドルタイプとします。段数はお好みで増減してください。

ワンハンドルタイプ トランジスタ式コントローラー

 3. 2ハンドルタイプの回路 3. 2ハンドルタイプの回路

解りやすくする為に、ノッチ3段の2ハンドルタイプとします。段数はお好みで増減してください。

2ハンドルタイプ トランジスタ式コントローラー

 4. [参考]ワンハンドルタイプの回路(トランス使用) 4. [参考]ワンハンドルタイプの回路(トランス使用)

ご参考までに、電源にトランスを使用したノッチ3段、ブレーキ3段のワンハンドルタイプの回路図を記載します。

[参考]ワンハンドルタイプ(トランス使用) トランジスタ式コントローラー

■ 注意事項 ■ 注意事項

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